「日本ミツバチ100枚の物語」第5弾。
1. 応募の反響
今回の募集では、総勢31名のクリエイター様より情熱的なご提案をいただきました。お一人お一人のポートフォリオを拝見し、日本ミツバチというテーマが持つ表現の可能性を改めて確信いたしました。心より感謝申し上げます。
2. 選定結果
- 契約者:maki様 ( プロフィール )
- 選考中:1名
3. maki様作品の総評と採用の決め手
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「百花蜜プロジェクト」の5枚目。今回、私は日本ミツバチという存在を、花(キンリョウヘン)と百人一首の傑作
「しのぶれど」の世界観を通して表現することに挑戦しました。
4. 歌解釈と生態の融合:隠しきれない「香りの情念」
平兼盛の和歌**「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」**。 (心の中に秘めておこうとしたけれど、顔色や雰囲気に出てしまっていたようだ。何か物思いでもしているのですか?と人に尋ねられるほどに)
この歌の核心は、**「内なる情念が、本人の意思とは裏腹に外の世界へ溢れ出してしまう」**というエネルギーの漏出にあります。これは、キンリョウヘンが放つ「フェロモンの拡散」と完璧にリンクします。
5. 擬人化(化身)の再定義:フェロモンによる「魂の共鳴」
一般的な花は、色や形、甘い蜜で多くの虫を誘います。しかし、日本ミツバチを狂わせる「キンリョウヘン」は、彼らの集合フェロモンに酷似した物質を放つことで、本能へ直接的に働きかけます。
maki様の描いた「化身」が目を瞑っていること。これこそが、この生態を捉えた最高の表現です。
- 視覚を閉ざした「交信」: 彼女は目に見える美しさで誘っているのではなく、目には見えない「信号」でミツバチの魂に呼びかけています。
- 本能へのダイレクトな訴求: 視覚を遮断し、自らの内側から溢れ出す化学信号(情念)に意識を集中させている。その姿は、誘引される側であるミツバチと、同じ波長で共鳴している瞬間を切り取っています。
6. 採用の決め手:繊細な「引き算」の美学
当初の案からブラッシュアップを重ねる過程で、maki様はあえて要素を削ぎ落とし、肌の白さと「頬の赤らみ」の対比を強調されました。
「忍んでいる」のに、頬の赤みや周囲の光の渦(ミツバチの気配)が、彼女の隠しきれない情熱を雄弁に物語っています。この「説明しすぎない勇気」が、本作に深い芸術性をもたらしました。
7. 次回以降の参加を目指す方へ
本プロジェクトにおいて、古典文学はあくまで100ある切り口の一つに過ぎません。和歌が必須なわけでも、静かな作風が唯一の正解なわけでもありません。
私が求めているのは、**「テーマ(生態や物語)を自分なりに噛み砕き、独自の解釈で再構築する知性」**です。次回の募集では、今回とは真逆の「動」や「ポップ」な視点、あるいは全く新しい「裏切り」を期待しています。
8. 今後の運営方針
- 再依頼の可能性: 本プロジェクトは「100名の描き手」ではなく「100枚の物語」を重視します。そのため、一度ご縁のあった方へ二度、三度と再依頼を重ね、共に世界観を深めていくことも大切にしています。
- YouTubeチャンネルでの公開: 制作の舞台裏や、選考の深い意図を順次公開していきます。採用へのヒントが詰まった内容になりますので、ぜひご登録ください。[ ミツバチの輪 ]
