アカリンダニ寄生症状と対策方法!【ニホンミツバチ】
日本蜜蜂(ニホンミツバチ)がアカリンダニ(Acarapis woodi)に寄生された場合、
症状は比較的ゆっくりと進行しますが、見逃すと群れ全体の衰退につながります。
以下は主な症状です。
主な症状
- 羽が開いたまま閉じられない(羽開き病様)
- 翼がV字型に開き、正常に飛べなくなります。
- 飛ぼうとしても地面で歩き回るだけの個体が増えます。
- 異常な行動や運動能力低下
- 巣門の前でうろうろする
- 真っすぐ飛べない、すぐ落下する
- 腹部が膨らんで見える
- 呼吸管や気管にダニが寄生し、内部にダメージを与えるため、体の一部が変形して見えることがあります。
- 越冬失敗・群れの縮小
- 働き蜂の寿命が短くなり、特に冬の蜂数減少が顕著
- 春先に急に弱群になる
- 羽毛立ち・体毛の乱れ
- 健康な蜜蜂は毛並みが整っていますが、寄生されると毛がボサボサになり、つやが失われます
注意点
- アカリンダニは肉眼で見えず、顕微鏡で気管を解剖して確認する必要があります。
- ニホンミツバチは西洋ミツバチよりも抵抗性があるといわれますが、近年は感染事例が増加。
- 感染は**他群との接触(盗蜜・漂入蜂)**で拡大します。
アカリンダニ対策(ニホンミツバチ向け)
1. 早期発見と隔離
- 羽が開いた蜂や飛べない蜂が増えたら要注意
- 感染が疑われる群は、他の群から距離をとる
- 巣門を狭くして漂入蜂(よそ者蜂)の侵入を防ぐ
2. 物理的・管理的防除
- 分蜂群の導入時は検査(特に他の養蜂家からの譲渡蜂)
- 巣箱や用具を火炎消毒または熱湯消毒
- 巣門を適正サイズにして盗蜜防止
- 弱群を無理に越冬させず、早めに合同する
3. 天然物を用いた抑制(民間的手法)
※効果は環境や群の状態で差があり、科学的証明は限定的
- ハッカ油(ペパーミントオイル):揮発成分でダニの行動を抑制
→ ティッシュやコットンに数滴たらして巣箱内に置く(女王蜂に直接触れない場所) - タイムオイル・ユーカリオイルも類似効果が報告あり
- 揮発性物質は夏場に強すぎると蜂も嫌がるので注意
4. 群の体力維持
- 花粉・蜜源不足期は給餌(砂糖水や花粉代用品)
- 冬前に健康な働き蜂を多く育てられるよう管理
- 風雨や寒さを避ける場所に巣箱を移動
ポイント
アカリンダニは一度感染すると根絶が難しいため、
「侵入を防ぐ管理」と「蜂の免疫力・体力を高める飼養」が最も重要です。